2022年07月02日

即清寺本尊について

 即清寺の御本尊は不空羂索(けんさく又はけんじゃく)大忿怒(ふんぬ)明王という仏様です。「不空」とは間違いなく成し遂げるという意味があります。「羂索」は古代インドの武器で、先に金具の付いた縄の様なものです。相手の武器をからめとったり、身動きを封じたりといった使い方をするようです。「大忿怒」は大いなる怒り、「明王」は怒りの表情で悪魔を降伏(ごうぶく)し仏法を守護する仏のことです。つまり不空羂索大忿怒明王とは、人々の煩悩を羂索の力で間違いなくからめとり、大いなる怒りの力で我々を魔物から守護する仏ということになります。
 あまり聞きなれない仏様であり、他にお祀りされている寺を聞いたことが無いので、今のところ日本では唯一の仏像ではないかと思われます。
 もともとは、不空羂索観音という観音菩薩が本来のお姿といわれ、奈良の東大寺の三月堂や興福寺の南円堂に祀られている仏様が有名です。即清寺の御本尊も他のお寺の観音様も手に羂索を持つのが特徴です。経典では、この不空羂索観音が明王に変化し、大いなる怒りの力で、より多くの人々を煩悩から救済すると説かれているので、即清寺の御本尊はこのお姿を表していると考えられます。無病息災、心身健全、財産保持、対人関係の円満、戦災や天災からの回避などに御利益があるとされています。
 お盆の7月13日から16日の間は御開帳され、お姿を実際にご覧いただいてお参りできます。ぜひ、堂内でごゆっくり御参拝ください。ただし法要と重なった時など堂内の参拝を少しお待ちいただく場合がありますのでご了承ください。
 なお、御開帳はお盆のほかは、年末年始と十月の百観音祭礼の時にも行っています。
posted by 即清寺 at 21:35| Comment(0) | 日記
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